2013年9月7日土曜日

【暴言】格ゲーが得意なら格闘技の素質あり!



前回放送でエンドレスシラフさんとの会話の中で少しだけ触れたのだけど、僕はストⅡブーム直撃世代なので、格闘ゲームから始まった、いわゆる「コマンド技入力」に、特別深い思い入れがあります。

個人的にはコンシューマー機のコントローラーよりも、アーケードのレバーをガチャガチャ入力するあの感覚が一番「ゲームしてる」感を味わえると思うんですよね。家にはもちろん、いつなんどきでも対戦できるように、アーケードスティックが常備してあります(笑)


だからこそ、その裏返しで、ゲーム的な面白さと関係ない、必然性のない「なんちゃってコマンド技」が、気になって仕方がないのです。・・・マッシュとかね。


そんなわけで今日は、僕の大好きな「コマンド技」がゲームの世界にもたらしたオモシロさについて、掘り下げて考えてみたいと思います。










「準備は良いかい?」



「押忍!!!」



コマンド技には、昇竜拳コマンドや波動拳コマンドといったレバー入力タイプ、レバーを一定時間敵と反対側に倒してからボタンを押す溜め技タイプ(敵側に向けて溜める技がファイターズヒストリーにあった気がするけどまあいいや)、百裂キックのようなボタン連打タイプ、特定のボタンを順番に押す「瞬獄殺コマンド」タイプなど、様々な種類があります。

コマンド技という発明以前、ゲームのテクニックといえば「連射」が主流でした。

高橋名人の16連射に憧れ、「ピアノ連打」「痙攣打ち」といったテクニックを競い合いました。

僕が初めて近所の駄菓子屋で「ストリートファイターⅡ」に触れた時、最初に選んだキャラクターはエドモンド本田でした。理由は単純。コマンド表に「連打」と書いてあるのを見て、それだったらこれまでの経験で出せる気がしたからです。

そんなわけで、僕のスト2デビューは、エドモンド本田春麗ブランカといった「連打技を持ってるキャラクター」から始まりました。
裏を返せば、昇竜拳やスクリューパイルドライバーなどの奇々怪々なレバー入力は、とうてい出せる気がしなかったのでした。


そう、「コマンド技」は、連射の速度を競っていたゲーム少年たちにとって、まさに異質なもの=黒船だったのです。


ゲームを遊びやすくするのであれば、ボタン一発、またはせめて2ボタン同時押しくらいで必殺技が出せたほうが良いに決まっています。しかし、ストリートファイターⅡは、あえて僕達に、乗り越えなければならない壁を用意してきました。


「入力に習熟すること自体をゲームにした」


ことが、「コマンド技」のもたらした革命です。


相手のジャンプ攻撃を見てからコマンドを入れて昇竜拳で返す、という格ゲーの基本中の基本だけでも、それなりの練習が必要です。
単発の必殺技はもとより、繋がるコンボやキャンセル技、相手のキャラクターの攻撃に対する対策を身体が覚えるレベルで習熟することで、さらに駆け引きの高みにのぼることができます。

ジャンプ漫画で「修行するほど強くなる」ことをインプットされた少年たちに、この遊びが流行ったのは必然だったと言えるでしょう。僕らはそれに魅了され、勝つためにひたすら昇竜拳を練習しました。


実はこれ、実際の格闘技で自分の得意な連携やパターンを繰り返し練習して修得するプロセスと、とても良く似ています。最初は頭で考えながら入力していた複雑なコマンドを、相手の動きを見たコンマ数秒の間に入力完了しているようになるには、ひたすら反復練習しかありません。実際の格闘技でも、それは同じです。

僕は前蹴りからの連携を得意としていますが、前蹴りという一つの技だけとってみても、出した前蹴りが相手の中段に当たった場合、右に避けられた場合、左に避けられた場合、後ろに間合いを取られた場合、捌かれて内に入られた場合、別の技を重ねられた場合、などなど、その後の展開は様々です。

それらのパターン全てを想定し、反復練習することでようやく「その技が得意」という状態になります。

サンドバック相手に綺麗に技を出せても、相手との駆け引きの中で使えないのでは意味がありません。実戦のさなかにいちいち少年漫画の技解説のように落ち着いて理屈で考えている暇はないので、身体に覚えこませていない技は基本的には実戦で何の役にも立ちません。
もし咄嗟に応用技が出たとしても、それは何千回何万回練習した基本技の先にあるものです。

そういう意味では、RPGでレベルが上がった瞬間に技を覚えるのってのはとても違和感あります(それまでに見えないところで修行していたんだ、という想像もできますが)。

一方、格闘ゲームでは、たとえ選んだキャラが強力な技を持っていたとしても、プレイヤーがそれを使いこなせないうちは、その技は無いのと同じです。だから同キャラ対決でもプレイヤーのスキルや癖が反映されて面白いわけです。

それはとても、リアリティのある「戦いの感覚」です。


個人個人のスキルや癖が出るからこそ、そこに戦いの駆け引きが生まれます。こいつはこのパターンに弱いぞ、とか、この攻撃の後に必ずこの動作をする癖がある、というような傾向を実戦の中で分析することで、より有利に戦いを運ぶことができるようになります。これは、格闘ゲームでも実戦でも同じです。

そういう意味でも格闘ゲームは、実際の格闘技に非常に近いフィーリングを感じることのできる、モチーフとゲーム性が噛み合った奇跡の発明だと思います。

格ゲー強い人は、本気になって練習すれば、おそらく実際の格闘技も強いはず、だと思います。

たぶんね。




そんな風に、実戦に近い感覚をゲームに取り入れることに成功した格闘ゲームですが、実は、実戦にあって格闘ゲームでは味わえない「ある要素」があります。でも、それは秘密。これはいつか僕がゲームにしようと思っているので、ここには書けません。

たんたん先生の次回作にご期待ください!

せばな!



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